• 多動脳 ADHDの真実

    今回紹介したい本はアンデシュ・ハンセン著の多動脳 ADHDの真実です。

    ADHDの強みにフォーカスした内容

    初めての本にこの本を選んだのにはいくつか理由がありますが、一番大きいのはADHDの強みにフォーカスした内容だからです。自分が当事者ということもあり、発達障害関連の本は10冊以上読みましたが、弱みをどう補強するかに焦点を当てた本が多かったです。むろん、それも大事なことなんですが弱みにばかり目を向けるとどうしても気持ちが後ろ向きになってしまう。弱点の克服には限界があるのではないかと感じていた時にこの本に出会いました。

    この本で紹介されているADHDの強みは3つあります。

    • ぼんやり脳
    • ハイパーフォーカス
    • 起業家脳

    どういうことかそれぞれ説明していきましょう。

    ぼんやり脳はクリエイティブ

    〇コちゃんも言っている通り、ぼんやりしていることは常識ではダメなこととされています。ぼんやりして気が散っている状態を専門用語でマインドワンダリングと言い、それが不注意の原因とされています。ADHDはこのマインドワンダリング状態が非常に多い。だから不注意ミスが多いわけです。

    やっぱりダメじゃないかと思われるでしょうが、実はこのマインドワンダリング、良いこともあるのです。マインドワンダリングは脳科学用語でデフォルトモードネットワークと言われているのですが、実はこのデフォルトモードネットワークは人間のクリエイティビティと深く関わっていることが分かってきました。ジャズの演奏に関する研究で、ジャズピアニストがフリー演奏をしている時の脳を測定したところデフォルトモードネットワークが活発になっていることが分かりました。逆に譜面通りに演奏した場合デフォルトモードネットワークの活性は見られませんでした。つまり創造的な行動とデフォルトモードネットワークには強い関連があったのです。

    ADHDはふつうの人よりマインドワンダリングが多い。これは裏を返せばふつうの人より創造性が高いことを意味します。僕は長い間マインドワンダリングをどうにか抑えようとしていました。瞑想の本を読んでみたり、座禅会に参加したりして心ここにあらずの状態をどうにか減らそうとしていました。しかし、この本を読んでマインドワンダリングは創造性を高めるのだと知り、見方が180度代わりました。もちろん程度問題だと思いますが。

    ハイパーフォーカス

    さっきADHDは気が散りやすい、と言ったばかりですが、逆にADHDはものすごい集中力を発揮する場合があります。ハイパーフォーカス、俗に言う寝食を忘れて没頭する状態です。当事者以外の人にこの感覚は分かりにくいかもしれません。集中力に問題のある障害なのに、なぜ恐ろしく集中することができるのか?

    ADHDはゼロかマックス

    ADHDは集中力がないのではなく、集中力がゼロかマックスという極端な振れ幅なのです。
    それにはADHDの脳の仕組みが深く関係しています。ADHDの原因はドーパミンの受容体が人より少ないことが起因しています。ドーパミンには「これに注意を向けるべきだ」というサインを送る働きがある。人よりドーパミン受容体が少ないADHDはなかなか集中して興味がないことに注意を向けることができません。注意を切り替えるときにもドーパミンが必要で、例えばブログを書いているときに別の用事を頼まれても、別の用事にドーパミンが発動しなければ、そのままブログを書きっぱなしという状態になります。ADHDはなかなか点火しないが、一度火がつくと止まらない。これがハイパーフォーカスを生む、というわけです。


    ではどうすればADHDのハイパーフォーカス能力を生むことができるのか?


    方法はすこぶるシンプル。好きなことをすることです。


    シンプルすぎて拍子抜けしそうですが、これは真理を突いていると思います。
    僕にも覚えがあって本を読んでいるとき、文章を書いているときは時間がすぎるのはあっという間です。
    好きなことを仕事にしなさいというのは最近言われ出していることですが、ことにADHDは特性上より意識すべき点なのかもしれません。

    起業家脳

    最後の強みは起業家脳。この本によるとADHDには起業家が多いらしい。それは単なる印象ではなく、科学的にも実証されています。
    実は起業家の遺伝子というものが存在するらしく、起業家に必要な新奇探索傾向、大胆さ、行動力は遺伝するとされています。1335人の起業家を調査した結果、ある遺伝子を多く持っていたという調査結果がでました。その遺伝子は脳のある物質に関係しています。
    察しのいい人はここで分かると思います。
    ドーパミンです。
    なんと起業家の遺伝子はADHDの遺伝子とオーバーラップしているのです。
    起業家に求められる資質を列挙してみましょう。

    リスクを恐れない
    行動力がある
    アイデアマン
    好奇心が強い

    この特徴どこかで聞いたことがないでしょうか?

    無計画
    じっとしていられない
    すぐ気が散る
    単調なことができない

    すべてADHDの特徴を裏返しているのです。
    ADHDは生まれながらの起業家体質だったのです。

    ADHDが起業家向きと聞いて僕はびっくりしました。僕にそのような特徴が見られないからです。おそらく僕は不注意優位型でなおかつ自閉症スペクトラムと併発しているので、起業家精神はかなり弱められているのだろうと思います。
    残念ながら僕に起業家脳はなさそうですが、前期の特徴のあるゴリゴリのADHD体質の人はこの強みを意識してみてもいいかもしれません。

    ADHDには強みがたくさんある

    以上、この本に挙げられたADHDの強みを紹介しましtz。ADHDには強みがたくさんあることが分かってもらえたと思います。
    すべては弱みの裏返し。いいとこどりはなさそうです。この本には上記の内容以外にも、運動でADHDの弱みが補正できる(副作用なく)など、紹介できなかったものがたくさんあります。
    この本を読んでもらって少しでも前向きになっていただければこれ以上の嬉しいことはありません。

  • 始めまして。

    初めまして。某書店の障害者枠で書店員をしているヒロシです。始めてなので自己紹介がてら自分の経歴とブログを書こうと思った経緯について書きたいと思います。

    いきなりですが僕は発達障害です。具体的にはADHD(注意欠陥多動性障害)と自閉症スペクトラム障害です。なにそれ?おいしいの?と疑問に思った人もいると思うとざっくり説明します。

    ADHDはざっくり言うと限度を超えたうっかりもの。自閉症スペクトラム障害は対人関係と変化の対応に難がある人。

    ざっくり言い過ぎですね。もっと具体的に説明しましょう。

    ADHDには主に下記の特徴があります。

    • うっかりミスが多い 
    • じっとしていられない 
    • 衝動を抑えられない  
    • 計画を立てるのが苦手 
    • 集中力がない

    他にも特徴があるし、なかなか一言で説明できない障害なんですが主な特徴は上記の特徴です。なんだそんな人どこにでもいるじゃないか、と思われる方もいると思いますが、ポイントは生活に支障が出るレベルかどうかです。僕を例に挙げると僕は極度に集中力が低く、常人では考えられない頻度でミスを連発し仕事を2回クビになりました。忘れ物も多く、自転車を置き忘れて歩いて帰ったことが10回以上あります。傘は僕にとって置き忘れる消耗品です。

    自閉症スペクトラム障害の特徴は主に3つの特徴があります。

    • 空気が読めない
    • こだわりが強い
    • 感覚が鋭敏すぎる(あるいは鈍すぎる)
    • 同じ行為を繰り返す

    こちらもそんな人いるよね、と感じる方もいるのではないでしょうか。ただ、これもやはり限度問題で知り合いの自閉症スペクトラム障害の人には気圧が低くなるだけで体調を崩す方がいらっしゃいました。ドラマで例えるとベネディクトカンバーバッチ主演のシャーロックホームズが典型的な自閉症スペクトラム障害だと言われています。興味のある方は見てみて下さい。

    発達障害についてはおいおい本の紹介時に深く書きたいと思いますが、発達障害を抱えた僕は職場という職場を漂流し、ひょんなことから大好きな本に関わる書店の職場に携わることになりました。コンサータという集中力を上げる薬の効果と、僕なりの努力と、周りの方のサポートが上手く結実し、7年近く働いています。

    さて。そんな運のいい僕ですが一つだけ問題を抱えていました。

    書店員なのに本が売れない

    どういうことか?僕が配属されたのは本の表舞台の売り場担当者ではなく、バックステージを裏から支える仕入れ担当者だったのです。仕入れ担当者の仕事は主に2つ。本の入荷作業と返品作業です。入荷作業では入ってきた本と伝票に誤りがないかチェックしてデータに登録、それを各部門に仕分けします。返品作業は逆に各部門担当者から渡された本を集約し、データを登録、梱包して返品します。つまりは売り場担当者が本を売るまでのお膳立てまでが僕の仕事なのです。

    今の仕事もやりがいはあるし、文句を言うつもりはさらさらありません。しかし、本を紹介したい欲求は日に日に積るばかり。周りに本好きな友人が一人もいないのもそれに拍車をかけました。そんな僕に天啓が降りました。

    そうだブログを書こう

    話が長くなりました。そうです。本を紹介したければブログを書けばいいのです。ユーチューバという手もほんの一瞬浮かびましたが、自分が本を紹介する絵面をイメージして即座に却下しました。

    というわけで次回から本格的に本を紹介します。興味があれば見て頂ければ幸いです。

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