歌舞伎を観に行きました!
国宝の影響で歌舞伎に興味を持ち、先週京都の南座で彼女と歌舞伎を観に行きました。
席は一番上段の端の席、そこから役者が見えるのか不安でしたが、想像以上に見晴らしが良く全体を見渡せるので良かっです。
「歌舞伎は長い」という口コミをネットで見かけたので覚悟していたのですが、演目ごとに休憩があり、メリハリが効いていたのであっという間に終わった感じがしました。

演目は3つあり、「二人藤娘」「菅原伝授手習鑑」「荒事絵姿化粧鑑」の3公演でした。
産まれて初めての歌舞伎だったので途中で寝ないか不安もあったのですが、そんなことなく終始楽しんで観れました。
セリフがおそらく江戸時代の言葉なので、正直ストーリーはまったく分かりませんでした。フィーリングで、「恋した娘がおどってるんやな」「敵討ちの話やね」「強い武将が敵を袋叩きやな」と完全に感覚でストーリーを妄想しました。合っているかはわかりません。じゃあ何が面白かったかというと、それは歌舞伎独特の雰囲気としか言いようがありません。
豪華絢爛な舞台や衣装、勇ましい見得、妖艶な舞い、そして役者が体で発する気迫のようなもの。その全てが観ている人を圧倒しました。まさに、考えるな感じろの世界。ストーリーが分からなくても面白いというのが発見でした。また観に行きたいと思うほど良かったです。彼女も大興奮していました。次はストーリーの予習をしてから行きたいと思います。
さて。今回紹介したいのは国宝の花道篇。ついに完結篇です。
本当に長い大河ドラマでしたが、面白くて一気に読んでしまいました。後半でも映画に出てこないエピソードがてんこ盛り。
お世話になったヤクザの誕生日パーティーで舞を披露し、世間からバッシングを受ける喜久雄。それが逆に歌舞伎役者に評価され歌舞伎の世界にカムバック。市駒との娘の綾音が相撲取りと結婚。他にも映画に無いシーンが山ほどあります。改めてこの分量の小説を3時間にまとめた奥寺佐渡子の凄さを感じました。
長い大河ドラマを見終えたときの充実感がありました。そのわりに文章が読みやすいせいかあっと言う間に読み終えた印象です。実は今まで映画と原作を見比べるということはあまりしたことがなかったのですが、今回やってみていろいろと発見がありました。改めて映画と小説は別物なんだと分かりました。映画は瞬間にメッセージを凝縮する打ち上げ花火のようなもの。無駄は徹底的に省き、物語を2~3時間の間に収めなければなりません。小説はむしろ時間と言葉を積み上げていって、一つの世界を組み上げていく建築物のようなものなのではないでしょうか。その違いが上手く活かされたからこそ、国宝は小説も映画もどちらも名作になったのではないかと思います。
今回、改めて歌舞伎の世界の奥深さを知ることができました。次は曽根崎心中が京都の南座でやるらしいのでまた観に行こうと思います。今度はガイドブックを持った上でストーリーを理解して臨みたいと思います。
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