実はブログと並行して小説を書いているのですが、最近行き詰って書きあぐねていました。なんとなく書くモチベーションは下がっていく一方、これはまずいと思った時、文学フリマの存在を知りました。
文学フリマ。文学のフリーマーケット。コミケの文学バージョンを想像していただくと分かりやすいのではないでしょうか。アマチュアの書き手さんが自作の小説や短歌、エッセイを売っているそうです。小説を書いている人はおろか、読んでいる人を見つけるのも難しいこの時代、アマチュアの書き手が一同に介する文学フリマに行って刺激をもらっていこう。そう考え、会場のインテックス大阪に弟を連れて行ってきました。
事前情報はほぼゼロの状態で行った僕は、正直規模感はまったく掴めませんでした。くどいようですが小説の書き手はおろか読み手すら見つけるのが難しいこの時代、はたして素人の作家の書いた小説を求めてどれだけの人がくるのか・・・・。
行ってみて驚きました。人がめちゃくちゃ集まってて、賑わっていました。本好きが一体どこに今まで隠れていたのか、出版不況が嘘のような活気。ただそこは本好き独特の静かな活気、とでもいうような空気感がありました。文学フリマのある2号館の隣の3号館ではコヤブソニックがやっていたのですが、そこから出てくる人の活気とはまた違った文化系の人×5,000人の活気です。

会場には1,000点以上のブースがあり、めぼしい本がないか会場を探索しました。ブースに出店されている本は本当に多種多様。ヤクザの短歌集や、AV監督の書いた映画論の本、はたまたここでは書けない変態性欲を爆発させた本まで、書店に出回らないニッチな本がたくさんありました。
文学フリマを歩いて僕は正直疲れました。言ってみれば書店は管理の行き届いた動物園、文学フリマは野生のジャングル。油断していると書店では見かけないような妄念の爆弾みたいな本に出会います。ネットで話題とか、何々賞受賞とか分かりやすい看板のない無数の本の中から、直観を働かせて一つの本を選ぶのが難しい。自分が今までいかにお膳立てされた世界で本を選んでいたのか痛感しました。
僕がもぞもぞしている間に、弟は何冊かの本をピックアップしていました。その中から西之まりもさんの「佐伯家の一週間」という本と、大阪芸大文芸学科の「出目金と翡」という本を買いました。(ちなみに後者はタダ!)この本についてはおいおい語ろうと思います。
文学フリマに行って収穫はありました。アマチュア作家さんたちの内に秘めた活力に直に触れられたところと、自分の見ていた世界はまだまだ狭かったということを自覚できた点です。
来年は直観で光る本を選べるようになり、いずれは自分が出店する側に回れるようになりたいと思います。
さあ、書くか!

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