日本人初!ダガー賞受賞!まるで映画のような迫力

僕は読書以外にも映画鑑賞が趣味です。特にホラー映画やバイオレンス映画が好きです。現実にホラー体験や暴力体験はしたくないんですけど、フィクションは別腹。よくマニアックなホラー映画をネットで見つけては映画館で観ています。

今回おススメしたい本は、日本人で初めてダガー賞を受賞した「ババヤガの夜」。日本人初という惹句に惹かれて手に取りました。ダガー賞はイギリスの推理作家協会が主催する賞で、世界の名だたるミステリー作家が受賞する世界を代表する賞です。日本では東野圭吾や伊坂幸太郎などの錚々たる顔ぶれがノミネートするも受賞ならず。そういうすごい賞なんです。

この小説を読んだ感想は「映画やん。」でした。しかもオレが好きなやつやん。

この小説の特筆すべきところはアクションシーンです。喧嘩と暴力が大好きな主人公の新道依子はヤクザに喧嘩を売られます。新道依子は怯むどころかヤクザと戦いボコボコにします。

そのシーンが活字で表現されているとは思えないほどスムーズに頭に入ってくるんです。アクションシーンの映像喚起力が凄まじい。著者は格闘技の動画を見たり、絵コンテを描きながらアクションシーンを書いたそうです。

このヤクザとの喧嘩を見た柳というヤクザにスカウトされ(というより拉致され)新道依子は組長の娘の尚子のボディーガードを務めることになります。

散々映画みたいと評してきましたが、ババヤガの夜の魅力はそれだけではありません。この小説、後半ではあっと驚く仕掛けが施されています。その仕掛けが映像ではまず表現できないんです。小説ならでは特徴を利用して読書を驚かせてくれます。詳しくは述べられませんがそれがすごい。

映画に肉薄する描写力と、小説ならではの仕掛け、これらがあいまってババヤガの夜ならではの作品に仕上がっています。ダガー賞受賞も頷ける出来栄えです。

暴力描写は苦手という方にはおススメできませんが、クエンティン・タランティーノとかクローネンバーグとか好きな人にはおススメです。

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