発達障害に限らず、なんらかの障害を抱えているとふつうに生きてるだけで自己肯定感はさがりますよね。ふつうの人ができることができない。できないことに目が向きがちな人も多いのではないでしょうか。
今回紹介したい本はそんなひとを励ますような本です。
その名も「天才と発達障害」。世に言う天才と呼ばれる人種は発達障害を始めとする、精神疾患を抱えていた人が多いと唱え、天才の生涯から発達障害の特徴を説明しています。
この本で取り上げられている天才を列挙してみましょう。
ADHD
- 野口英世
- 南方熊楠
- 伊藤野枝
- モーツァルト
- マーク・トゥエイン
- 黒柳徹子
- さくらももこ
- 水木しげる
ASD
- 山下清
- 大村益次郎
- 島倉伊之助
- ダーウィン
- アインシュタイン
- コナン・ドイル
- 江戸川乱歩
錚々たる顔ぶれですね。これだけの有名人が発達障害だったとは驚きです。
今回はADHDはモーツァルト、ASDはダーウィンを例に天才と発達障害の関連性について書きたいと思います。
型破りなモーツァルト
モーツァルトは知らない人がいないほどの音楽の天才ですが、伝記によるとかなり型破りな変人だったようです。
彼はいつも落ち着きが無く、常に動き回り、甲高い声でよく喋ったようです。
馬車馬モーツアルト
モーツアルトは馬車馬のように動き回りました。朝の6時には起き、夜の9時まで生徒のレッスンや作曲、コンサートなどの予定が詰まっていたようです。モーツアルトは仕事に熱中しました。一方、家事や雑事には無頓着で中庸というものが無かったそうです。
ギャンブル狂だったモーツアルト
モーツアルトは莫大な収入があるにもかかわらず常に借金に追われていました。原因はギャンブルによる破産です。モーツアルトは大のギャンブル狂だったのです(しかも弱い。)
モーツアルトに限らずADHDのひとには依存症の人が多いようです。自制心の弱さがその一因なのかもしれません。
社会性に乏しいダーウィン
一方のダーウィンは子供の頃から社会性に乏しく、周囲からは変わった人間だと思われていました。
ダーウィンは子供のころから一人で長いこと歩き周り、いろんな物を収集する癖があったそうです。
ダーウィンは特定の生物に熱中し、生態の観察や採集に没頭しました。そのころの経験が進化論に活かされたのは想像にかたくありません。
ロイヤルニートだったダーウィン
実はダーウィンは社会人経験がありません。家は資産家で金のことはもっぱら家に頼っていました。今でいうすねかじりのニートだったのです。しかし、そのおかげで好きな研究に没頭できたわけで、ここらへんは一般的な常識でダーウィンを評価してはいけないのかもしれません。
ダーウィン自身も自分は社会人としてはやっていけないと薄々気づいていたのかもしれません。
規則魔だったダーウィン
ダーウィンには決まった日課があり、それを毎日規則正しく繰り返していました。ダーウィンは2キロメートル四方の家を毎日一定時間散歩するのを日課にし、それを数十年繰り返していました。他にも仕事の時間や妻と談笑する時間も決まっており、その規則が崩れると体調を崩しました。こういうところもASDの特徴と言えるでしょう。
子供の伝記だと、偉人の尖った部分は削られて、ただの立派な人になっていますが、こうみると偉人たちも一癖も二癖もある人が多かったようです。
この本を読むと個性というのは欠点の裏返しだということが分かります。
欠点を補うことも大切ですが、自分の強みを伸ばしたり、個性を活かすことも大事なのではないかと偉大な先達のエピソードを見て思いました。
この本には発達障害以外にも統合失調症や、鬱病などの精神障害も扱われています。
障害に悩み自分を見失いそうになったとき、この本を読んでみてはどうでしょうか?
個性を考えるときのヒントになるかもしれません

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