自閉スペクトラム症

前回、ADHDの本を紹介したので、今回は自閉スペクトラム症の本を紹介したいと思います。

今回紹介する本は自閉スペクトラム症です。

自閉スペクトラム症に関する本は山ほどあります。僕も自閉スペクトラムに関する本は2,3冊読んでいますが、この本が一番分かりやすく、客観的に書かれていたのでこの本を紹介しました。

僕はADHDと自閉スペクトラムを併発していますが、自閉スペクトラムの説明がすごく難しい。コミニケーションに難がある障害なのは確かなんですが、それだけというわけでもないので一言で説明するのがすごく難しいのです。

本書では自閉スペクトラムの診断基準から自閉スペクトラムの2つの特徴が説明されています。

社会的コミュニケーションの障害

一言で言えばコミュニケーション能力ですね。具体的には細かく3つの診断基準があり、すべて当てはまると自閉スペクトラムの疑いあり、となります。

1 相互的関係の障害

なんか難しい表現ですが、言ってみれば言葉のキャッチボールがちゃんとできないということです。質問の意図が理解できない、話し始めるのが苦手、関心をうまく共有できないなどの特徴があります。おしゃべりだから自閉スペクトラムでないとは言えません。話が一方通行だったり、突然話題を変えたりするおしゃべりな自閉スペクトラムもいます。

2 非言語的コミュニケーションの障害

相手の表情を読んだり、逆に表情豊かに話したりする能力に欠けている状態です。分かりやすく言うと空気が読めない人とも言えますね。いわゆるノンバーバルコミュニケーションに難がある人です。

3 社会的スキルの貧しさ

1、2に障害がある人だったら必然的に社会的スキルは貧しくなりますよね。言わば集団行動に難がある人です。

以上が社会的コミュニケーションの障害ですが、けっこう当てはまると感じた人はいるんじゃないでしょうか。いわゆるコミュ障と言われる人=自閉スペクトラムかと言えばさにあらず。もう一つの特徴がないと自閉スペクトラム症とは言えません。

限局された反復的行動

ここを説明するのが難しい。限局された反復行動?ゲンキョクサレタハンプクテキコウドウ?なにかの必殺技ですか?

特徴を挙げてみましょう。

同じ行動パターンを繰り返す
決まった行動や考えへのこだわり
特定のものへのこだわり
感覚の敏感さ、または鈍感さ

こういう人いませんか?なにかの使命のように毎日同じ行動を繰り返す人。整理整頓の執着がすさまじく、物の位置をずらされるだけで怒る人。こだわりが強すぎる人。
今の特徴+コミュニケーションに難がある人は自閉スペクラム症の可能性があります。

こう説明すると分かりやすいかもしれません。自閉スペクトラムは予測不能性への適応に障害がある人だと。限局された反復行動というのはつまり、予測不能性への抵抗です。コミュニケーションなんて予測不能性の最たる物ですね。両者に共通するのは柔軟に対応する変化力。ここが弱いと自閉スペクトラム症になるのかもしれません。

僕の場合

僕の場合、学生時代はたしかに社会的コミュニケーションの障害があったと思います。まず自分から話しかけられない。人に接する場合、相手の働きかけに応じるのがやっとで、30歳をすぎるまで友人を自分から誘うことができていなかったです。それでも少しずつ社会性は改善されてきたと思います。コミュニケーションの基本戦略は合気道ですが。
限局された反復的行動に関しても思い当たるふしはあります。僕は習慣オタクです。朝起きて寝るまで何やるか、だいたい決まっています。努力して習慣化しているのではなく、そうしないと気持ち悪いんですね。本に対するこだわりも強いです。感覚はかなり鈍感です。真夏でも言われるまでクーラーつけません。暑さ、寒さを感じにくいんですよね。倒れないのは体力があるだけです。

自閉スペクトラム障害に理解の深まる名著

自閉スペクトラムの特徴の説明に多くを割きましたが、実はこれで全体の2割ほどです。他にもASDが最近急増している理由や、ASDの脳と感覚統療法、回復例から教わることなど盛りだくさんの内容。これで1000円以下は安いと思います。
興味を持った方は(できれば書店で)買っていただければ幸いです。

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